タイトル
Piro e × 夏 瞳



家


僕はそっと抜け出した

目に焼き付けることで
何かが分かると信じてた

丸い地球が存在する
ちっぽけな僕の
この足元に

確かに存在する温かな大地を
疑っている日常が
何となく寂しかったから






海


僕はそっと想ってみた

生まれてからこれまでのこと
不思議と泣きたい気持ちになった

その理由が海なのか彼女なのか
なんて
大人びた感傷で
ひたってみるのも悪くなかった

海のはじっこは
丸いような果てしないような
僕にはまだ見えないけど






島


僕はそっと元気を出した

空気が美味しいだけで
人は笑えるもんだと気付いた
真似して僕も笑ってみた
おまけに少し走ってもみた

泥のついた足が
こんなに心地いいことも知らずに
それでも立派に生きているんだなんて
威張ってた数日前が恥ずかしいよ

人も案外そんなふうに
空威張りでしのいでいるのかも知れない






窓


僕はそっと息をついた

知らない窓からは知らない光が注ぎ込み
誰かの余韻を感じ取ることができた

僕の敏感な鼻は
人の敏感な心と同様に
少し震えている
それぞれの想いを察知して


彼女の考えが
僕を不幸にするなんて
誰が決めたんだろう

傷だらけの鼻になっても
僕はにおいを嗅ぐべきなんだ

傷だらけの心でも
人が誰かを求めるように






谷


僕はそっと冒険をした

遠くの橋を目指して

移動するという瞬間
動き出すのは体だけじゃないと分かった

移動するという瞬間
地球は僕を後押し
心は体を宙に浮かす

それはね
冒険しないと分からない感覚なんだよ






雪


僕はそっと募らせてみた

あえて胸に秘めるという行為を選ぶ
雪はそんな純粋を教えてくれる
だからそっと募らせてみた

心がパンパンになればそれだけ
どんな毛皮のコートよりも温かく
どんな冷たい風もしのぐことができる






山


僕はそっとかたどってみた

孤独で自由な雲の形を

あんなに自由で
雲は悩まないのかな

どんな形で
浮かんでみようかとか
どんな形で
次の街を訪れようかとか

僕はどんな形で
キミに会いに行こう






木の上


僕はそっと近づいてみた

大きな太陽に憧れて
その力を浴びるために

近づこうとする僕達を
太陽は邪魔したりしないのに
どうして下ばかり向いていたんだろう

それじゃきっともったいないから
もっともっと上を目指して
太陽に近づいてもいいんじゃないかと思うんだ






魚


僕はそっと食べられてみた

時にはそんなことも必要かなと
僕は自分を差し出してみた

犠牲と偽善って似てるけど
僕は幸せのためだと思った

魚の幸せは僕の幸せ
時にはそんなことも
必要なんじゃないかと

人って自分が可愛過ぎて
隣の人の空腹には無関心過ぎるよね







川


僕はそっと理解した

差し出してわかる魚の気持ち
美しく泳ぐ魚の気持ち
食べた君も痛くなって
きっと涙を流したよね
その涙が地球上の
川や海を美しくする

だから僕は理解するんだ
涙を流すことの大切さを







花


僕はそっと咲かせてみた

心に花を なんて女の子みたいで
少し気恥ずかしいのに咲かせてみた

目に見えない花にも美しさは潜んでいて
その香りで人は優しくなれる

だから僕は咲かせてみた

心に大輪を
負けないくらいの大輪を






仲間


僕はそっと繋がってみた

異系の仲間に紛れてみた

誰も気付かずにいるんじゃなくて
誰も気付かないフリで気遣っていることに気付いたよ

無言の優しさを放置されていると勘違いしちゃいけない

僕も君も無言を恐れ過ぎて
必要以上の言葉で傷つけ合っていたんだね

ただ隣にいること
君が求めていたのはそんなことだったのかも知れないね






夜


僕はそっと夢を見た

確かな温もり
確かな想い

夢の中に君に
はっきりと言葉を告げる

明日出会えるだろう君に
同じことを言うよ

僕はまあるい地球を夢見た
それは確かに僕を支えて
明日までの時を刻んでいる








Piro e

1971年7月 東京都中野区生まれ
2007年夏 自由気ままに笑いころげて生きることを決意

宇宙を癒し、地球全てを明るくしていこうと夢みる大人♪